▼スポンサーにプーチ社を選択した後、初のパリコレとなったドリスヴァンノッテン。
しかしそんなストレスも感じさせずさらに円熟味を増したコレクションを発表しました。
「鳥」の美しさと無垢さ、色の華やかさをポートレートする若手アーティストに影響を受けた色艶の美しく表現されたルックは、
デジタル化された花をぼかしたプリントでよりソフトで遊びのある調和を保たせています。
そして「対比」。
2008年のオートクチュールと2013年頃のパンクの対比を取り入れた”フォルム”。
過去への哀愁と未来への執着の対比から生まれる”今”。
ドリスの、自信に満ちた輝きをもちつつも、気取らない本能的な女性像を見事に描いた春夏コレクションでした。
▼2019年春夏アンドゥムルメステール、パリコレは1880年の実話
「L’Inconne de la seine」(セーヌ川に溺死体で見つかった身元不明少女)からのインスピレーション。
セーヌ川で遺体が発見され、その彼女のあまりにも美しい美貌に心打たれ、
型工に石膏のデスマスクを取らせた事から、20世紀中旬まで多くのアーティスト達のインスパイアとなりました。
コレクションは、そのデスマスクを彷彿させるようなフェイスマスクをつけたモデルが、
繊細なシルクのドレスや薄いピンクのブラウスをまとい、それはまるで洗い流された生地や、
光が透き通る水に張り付いた体を液体彫刻の様に表しています。