2016年秋冬 パリコレ バイイング報告(5日目)

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▼ハイダー アッカーマン 2016秋冬は「強い女性」。
今世界がテロ事件に恐怖を抱く中、女性に強く生きて欲しいと沢山のメッセージをショーに込めたとのこと。
ハイダーの得意なパンツはショートジャケットやミリタリーな
肩章のマスキュリンスタイルによって更に強い女性を表現となりました。
また、不安を払拭し皆にハッピーになって欲しいと、ヒビットで深いピンクを打ち出しました。
アラベスクジャガードの絨毯を敷き詰めたショールームには、
強い女性の象徴のごとく、超長身のモデルがピンヒールで堂々と歩いていたのも印象的でした。
ハイダーアッカーマンを着る事で女性が幸福感で満たされていく…。そんな気がします。

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▼今シーズンは、あまりの良さにバイヤーの任務を忘れ、個人オーダーに暴走してしまっています。
お恥ずかしい…。というわけで、ハイダーアッカーマンのジャガードのジャケットオーダーしました。(^_^ゞ

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▼2016秋冬ドリスヴァンノッテンは30~40年代のルイーザ・カサッティ公爵夫人と
ガブリエーレ・ダンヌンツィオの情熱の物語が舞台。
タクシーに乗って支払いの際に自分の指輪を渡すなど、お金の価値がわからないほどの富豪のマダム。
また彼女の私生活ではチーターを飼い、大蛇を裸体に常に巻いていた等、お金持ちの狂気とミステリアスを再現しています。
そしてそれらに、ボックス型のテーラードジャケットにネクタイ、エンブレム等メンズライクなアイテムをミックス。
バイイングを済ませたバイヤー達が、秋冬一番の良かったブランドはドリスと皆が口を揃えるほどの出来映え。
ご期待くださいませ。(ショールーム内の画像はNG)

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▼バイイング最後はエミナカニシ。
「紅葉の中で着たい、紅葉の中でお洒落に映える服」をイメージしたというコレクション。
初秋の紅葉の季節はとてもロマンティックですよね。
エミの服を着て、たまにはゆっくりした気分で季節の移り変わりを楽しむのも良いよと、教えてくれているようです。

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▼2016年秋冬パリコレバイイング終了しました。
今回は雪がちらつき、雨もみぞれに変わったりととても寒かったですが、ショーに来るファッショニスタは、
寒さをものともせず、最新のファッションに身を包んで登場している意気込みは流石でした。

パリコレの真の主役のデザイナー達も次の秋冬にかける意気込みは相当なものでした。
たった20分前後の瞬間に半年かけて作り上げた情熱を開花させる…。想像を絶するほどのパワーです。

そして、来季に向けてデザイナー達が掲げたのは「情熱」「恋」「愛」「強さ」でした。
ニナリッチの「恋愛をしている女性」、ランバンの「今この瞬間恋に落ちる」、
ハイダーアッカーマンの「強い女性」、ドリスヴァンノッテンの「情愛」等です。

時代は今、クールであっさりとした煩わしさのない人間関係になりがちです。
しかし、ふと優しい言葉をかけてもらったり、何気なく自分の言ったことに
共感してもらったりしたことで、救われたことはあるはずです。

今回もパリコレでデザイナーのショーや商品からそんな愛を沢山感じました。

そしてパリに住む日本のある女性といつもディナーをするのですが、
彼女に会うといつもリラックスできるのはなぜなのかなと思っていました。

そして今回もディナーの約束をしてたときの事です。
寒い中歩き回って疲れてレストランにようやく着いて、でも疲れすぎてたので折角のディナーなのに気を使わせてしまっていました。
別れ際、私がタクシーに乗るときに「パリを楽しんで…。」と一言ささやくように言ってくれた言葉に、
とても優しくてまた勇気付けられたようで、ほっとした何とも言えない安息を覚えたのを今も良く覚えています。

わかっていながら体力的にも精神的にも余裕がない時、自分でも中々前向きになれないことがあるのです。

人の温かさ、デザイナーの情熱、ファッションの癒し…。
それは時代がどんなに進化してもどんなに機械化しても失われるものではないと信じて、
これからも益々ファッションと向き合い取り組んで参ります。

ではお店で皆様のご来店楽しみにお待ちしております。

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オーナーバイヤー岩高