先日、二度目の東京出張へ行って参りました。
今回は表参道や青山、代官山へショップリサーチで立ち寄る時間もあり
ディスプレイやレイアウトの参考も兼ねいくつかショップを見学しました。
まず今年10周年を向かえた表参道ヒルズが41店舗という過去最大のリニューアルをし
今月18日に多くの店舗がオープンしたばかりという事で早速リサーチへ。
MM⑥が日本初となる旗艦店を表参道ヒルズにオープンした事を記念し
フラッグもMM⑥の「6」が一列に掲げられていました。
店内入口付近はシルバーのコンクリートタイル→メタリックシルバーのフローリング→オークウッドと変化する床に
MM⑥やマルジェラが得意とする「トロンプルイユ」=(だまし絵)が表現されていました。
ランダムな白い棚に並べられた雑貨も1点1点が見やすくすっきりとしたディスプレイで
シャンブランでも展開している商品もありバッグの並べ方など参考になります。
3月18日から26日まで、オープンを記念して表参道ヒルズ館内吹き抜け
大階段スペースにてデジタルインスタレーションも実施されMM⑥一色でした。
同階には国内初となるメンズ・ウィメンズが一同にそろうインショップ形式のBALMAINのショップもありました。
オーナーバイヤー岩高が履いているスカートも今季のBALMAINです。
当店メンズ、レディース共に取扱いのある
Y-3の国内最大級のショップは地下一階でした。
ブラックのクールな店内にオレンジネオンが光り
個性豊かなスポーティかつモードな洋服やシューズ類が並んでいました。
▼隣はMaison MIHARA YASUHIRO。
ウッド調な店内は緑の植物ともよく合いカフェを思わせるようなオシャレなショップでした。
▼DRIES VAN NOTEN青山店へも初めて行きましたが
1階がレディース、2階がメンズですがモダンな外観に驚きました。
店員さんもさすが!ドリスを自分のものにして着こなしておられたので
思わず見入ってしまいました。洋服を提案するスタイリストやスタッフは
お客様から憧れられる存在でなければならないと改めて思わされました。
▼こちらはトムブラウンのショップですが
コンクリートの建築の屋上には緑が生い茂り、都会と自然の融合を感じます。
* * *
さて、いくつかのショップをご紹介致しましたが、ここからは今回の出張のメインである
来秋冬のsacai main collectionのバイイングの様子をご報告致します。
メインコレクションのテーマはプレコレクションから引き続き「Love」。
”love will save the day”というメッセージが
カリグラフィーによって抽象的にブラウスやワンピース、
ニットに施されたレースや刺繍に落とし込まれていました。
プレコレクションではトレンチコートのベルトが袖や太ももを縛ったデザインがありましたが
メインコレクションでもその流れは続き、首元や袖口、ウエスト下めに
ベルトで縛るデザインもありました。
▼さらにパリコレのショーで最も印象的だった「ワッペン」シリーズがこちら。
オーガンジー素材にワッペンをひとつひとつ手縫いしている緻密な作業を思うと
デザイナー阿部さんがコレクションに懸ける思いを感じます。
ニットに透け感のある素材を組み合すことで
野暮ったくなりがちな秋冬でもエレガントな着こなしが出来そうです。
パーティーなどのイベントが多くなる時期にも活躍しそうなオーガンジ―素材のスカートもありました。
プレ、メイン共に来シーズンも問うご期待くださいませ!!
さて続いて、来秋よりla cham blancに加わる新ブランド「AEVES」の展示会に行って参りました。
クリエイティブ・ディレクターの古館郁さんはパリ在住で
弊社でも取扱のあった元COMMUUNのデザイナーで弊社とは
かれこれ10年来のお付き合いになります。
古館さんは文化服装学院を卒業後、英国のセントマーチンズ美術大学に留学し
卒業制作がイエール国際フェスティバルで日本人初受賞。
07年には、若手デザイナーの登竜門と言われるANDAM(フランス国立モード芸術開発協会)賞など
数々の賞を受賞されている実力派デザイナーさんです。
カッティングの良さや機能性の高さと、オーガニック素材だけを使用するなど
素材へも強いこだわりを持ちクリーンなデザインは世界中から評価を得ています。
「AEVES」は古舘さんがリアルにパリで働き、生活する中で、思い描く凛とした女性像をもとに
ブランドアイデンティティーとする「ありのまま、知的に、美しく」ありたいと願う
大人の女性に向けたエッセンシャルなワードローブを提案しています。
「アエヴェス」とは、自由の象徴と考える、鳥類を表す英語のアヴェス(AVES)と
“世代”を表すラテン語のアエヴェス(AEVUS)との造語で
都会での生活の中で、場面を超えて着られる”リラックス・シック”を提案しています。
古館さんがまとっているのはイタリアのジャガードが素敵なコートです。
ロールアップデザインのチェック柄パンツとの相性も抜群でした。
色違いの生成りもありました。寒い日の白いアウターはお洒落度がぐんとアップします!
羽織り、コートなどのアウター類はとにかく軽く
サッと羽織って頂けるものばかりで驚きました。
同素材のトップスもございます!
軽さと、詰まり過ぎず開きすぎずの絶妙な襟ぐり、
シャツやワンピースに重ねても着られるゆったりとしたシルエットを気に入って
私もついつい個人オーダーをしてしまいました…!
品のあるモードな洋服はla cham blancにぴったりだと思いました。
中に合わせているワンピースは重ね着した際にのぞく裾が
スクエアカットで動きが出るように計算されています。
▲チェスターコートのシルエットも綺麗で
大きいポケットの中にさらに小さめのポケットがあり携帯電話や小銭、リップなどが
入れられるようになっており機能性も考えられています。
▼展示会場でデザイナー古館さんの隣で大人しくしていた愛犬コンテ君。
一見大きな花柄にも見えるこちらの柄は良く見るとコンテ君!
AEVESのモデル犬でもあります。
最後にデザイナー古館さんと堀さんと一緒に撮らせて頂きました。
今回で2度目の東京出張でしたが毎回、洋服とそこに関わる方々との出会いに温かさを感じます。
ファストファッションの時代と言われている現代、
実際に私も2年前までブランドも何も知らない学生で
ファストファッションでおしゃれを楽しんでいました。
ですがデザイナーズブランドを知る度に、
多くの人に感動を与える洋服作りの奥深さに触れると
一着の洋服に掛けるデザイナーさんの想いや提案を
一人でも多くのお客様にお伝えしていきたいと日々思っております。
今後とも新鮮なファッションの情報をお伝えしていきたいと思いますので、是非店頭にもお越し下さいませ。
La cham blanc
黒﨑 未来