オリビエティスケンス回顧展 Vol.6

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オリビエティスケンス回顧展

Oliver thiskens
そしてNOW 2016年~

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「セオリー」を去ってから約2年、彼の行方はわからなくなっていました。

そして突如新聞で、彼が自力でパリコレを発表したと知りました。その後しばらくして、オリビエティスケンスの取り扱いのアプローチを頂いたのです。

今回の回顧展の最後を締め括るのは、そんな現在の「オリヴィエ ティスケンス」のコレクション。その中には、マトッテイで買い付け、既に顧客のクローゼットに届いた作品も沢山並んでいました。

彼のデビュー当初から用いているホックのデザインや生地のバイアスカット、伝統的なコスチュームの要素、クチュール的なディテールを生かしながらも、リアリティーのあるウエアに仕上げられています。

展覧会のリーフレットにはこう書かれています。

「ティスケンスのミューズは時代とともに変化する。彼女はロマンチックで、神秘的で、強くてエレガント。若い場合も年老いている場合もあるが、どこへ行こうとも美の中を歩いている」

先日の2018年秋冬パリコレのフィナーレは、彼の長年のファンの喝采が渦巻き、彼の表情も満足感に溢れていたのを鮮明に覚えています。そして翌日マレ地区の彼のアトリエ兼ショールームを訪れた時も、彼は落ち着いてゲストを迎えていました。

ロシャス、ニナリッチ、セオリーで20年のキャリアを積んだ彼はまだ40歳。これからのモード界を担っていくデザイナーの一人であることは間違いありません。

オーナーバイヤー岩高