▼2020年春夏ドリスヴァンノッテン。
パリに来る前に既に驚いたのが、フィナーレにドリスヴァンノッテン氏と、
かつて色の巨匠と言われたクリスチャン・ラクロアが一緒に登場していたこと。
それはなぜなのか…。
非常に興味深くショールームを訪ねました。
ドリス・ヴァン・ノッテンは、2020年春夏コレクションの製作に臨む際、
90年代の楽しかったファッションの時代を思い浮かべながらデザインボードを制作していると、
クリスチャン・ラクロワのデザインイメージに似ていると感じ、オマージュとして製作するならば、
一緒にコレクションを作れることができないかと考えオファーに至ったと。
一方、クリスチャン・ラクロワはオファーを受けて快諾。
今年3月からドリス ヴァン ノッテンのデザインチームと一緒に、コレクションを作り上げていったとの事。
尚、今回はモチーフやロゴを使用するだけのコラボレーションではなく、ドリス ヴァン ノッテンに参加するという形のため、
タグにはクリスチャン・ラクロワの文字は記されていません。
ドリス・ヴァン・ノッテンが、自身のコレクションにデザイナーを迎え入れたのは今回が初めて。
クリスチャン・ラクロワのクチュールメソッドを存分に取り入れた”ファッションを楽しむため”のコレクションは、
ジャーナリストやバイヤーから高評価を得ているようです。
▼ドリス ヴァンノッテンは今季クリスチャン・ラクロワと共に全コレクションを作りあげました。
ラクロワは2009年に自身のブランドを閉鎖するまで、色彩とプリントの巧みな使い手として名を馳せたオートクチュールデザイナー。
花やドット柄とアニマルをぶつける情熱的なコディネートや、金銀糸も織り込んだ華やかなジャカード使い、
フリルやリボンを駆使したアイテム、大きく丸い袖のクチュール的なドレスなどにラクロワの仕事が見られます。
ドリスヴァンノッテンは、フランスのイオン地方の17世紀から続くジャガードの老舗に依頼し、
19世紀のパターンをドリスだけの為にリバイバルさせたエクスクルーシブファブリックも圧巻です。
世界に暗いニュースが多い中、少しでも明るい日々が過ごせるよう、
ドリスヴァンノッテンとクリスチャンラクロアの2人が魔術をかけてくれような気がするのです。
▼2020年春夏ニナリッチは、デザイナーデュオの、
ルシェミー・ボッターとリジー・ヘンブラーが子供の頃の遊び場のビーチをテーマにしました。
パリコレチケットに貼り付けられたチューインガムに似せたパーツと、
シートに置かれたお土産のチューインガムがまさにその代表的なものでした。
・バブリシャス(チューインガム)
=イコール
ニナリシャス
これはニナリッチを『ニナリシャス』と造語で表現し「ニナリッチに溢れている」という遊び心。
二人は『ファッションやクリエーションは、遊び場』と捉え、
ショールームは前回同様彼らが集めたフィギュアやゲーム機が並べられていました。
実際昨日は二人がゲーム機であそんでいたようです。
各テーブルも独自のカラーに変化させたフラワーアレンジがとってもお洒落でした。
来春のニナリッチを着て子供の頃の無垢な遊び心を懐かしく楽しみましょうね。
▼ニナリッチのクリエイティブディレクターの、ルシェミ・ボッターとリジー・ヘンブラーは
『ファッションやクリエーションは、遊び場』
と捉え、ショールームは前回同様彼らが集めたフィギュアやゲーム機が沢山並べられています。
独自のカラーに変化させたフラワーアレンジととってもマッチして、
二人が「一緒に遊ぼうよ」と誘ってくるようなとってもユニークなショールームでした。
オーナーバイヤー岩高